ニガヨモギ
(苦蓬、学名:Artemisia absinthium)はキク科ヨモギ属の多年草あるいは亜潅木。
生薬名:苦艾(くがい)。英名:worm wood(ワームウッド)
高さは40cm - 100cmほどで、全体を細かな白毛が覆っていて、独特の臭いがある。
葉は15cmほどの羽状複葉で互生する。葉の表面は緑白色、裏面は白色。花期は7 - 9月で、
多数の黄色い小さな花を円錐状につける。
原産地はヨーロッパ。北アメリカ、中央アジアから東アジア、北アフリカにも分布している。
日本には江戸時代末期に渡来した。
学名は聖なる草を意味するエルブ・アブサントに由来する。
英名はエデンの園から追放された蛇の這った後に生えたという伝説に
由来するとも、防虫剤に使ったからともいわれる。
北欧のバイキングの間では死の象徴とされていた
ゴッホやボードレール、ランボー、ヘミングウェイなどが愛飲した
「アブサン」というお酒をご存知でしょうか?
ニガヨモギを主原料に、アニスやウイキョウなどの香料を加えたリキュールの1種で、アルコール分は
90度もあったといいます。1915年3月のフランス(原産国)を皮切りに、現在では多くの国で、
製造販売が禁止されています。理由は、ニガヨモギの精油成分が神経系に作用して精神障害を
おこす危険があるからだそうです。ゴッホが自分の耳をそぎ落としたのも、
アブサンによって精神錯乱に陥ったせいだといわれています。
葉、枝を健胃薬、駆虫薬としてもちいる。干したものを袋に詰め衣類の防虫剤として使う。
リキュール、ハーブ酒などに香り付けなどの目的でつかわれる。ニガヨモギを用いたリキュールでは、
「緑の魔酒」ともいわれるアブサンが有名だが、白ワインを主にニガヨモギなどのハーブをを浸けた、
チンザノなどのベルモットの方が一般的である。
一度にたくさん摂取すると含まれるツヨンにより嘔吐、神経麻痺などの症状が起こる。
また、習慣性が強いので連用は危険である。